僕が初心者のころに行っていた、室内でのテイクオフの練習方法を紹介します。
ざっくりとその練習方法を説明すると、ダンボールの上にサーフボードを置いてテイクオフの練習をするんです。
え・・・何それ!?
って、思いますよね?
でも、実際にやってみると、いい感じにテイクオフの練習ができるんですよ。
海でテイクオフするような感覚に近いので、実践的な練習になります。
さらに、パドリングの練習もできるんです!
まずは、だまされたと思って練習してみてください。
あなたのサーフィンが、変わります。
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室内で効果的なテイクオフの練習をする方法
必要な道具
段ボールテイクオフ練習法に必要な道具は、以下の3つです。
1.サーフボード
サーフィンをやっている人なら、ほとんどの人が持っていると思います。
ただし、これからサーフィンを始めようとしている人や、レンタルでサーフィンしている人は、持っていないかもしれませんね。
2.段ボール
サーフボードの下に置く段ボールです。
2つ使用します。
私が実際に使っている段ボールのサイズは、
長さ 508ミリ
幅 379ミリ
高さ 392ミリ
です。
近くのホームセンター(カインズホーム)で、1枚198円で購入しました。
3.布粘着テープ
段ボールを組み立てる時に使います。
ここで重要なのが「クラフトテープ」は使用しないでください。
クラフトテープだと粘着力が弱いので、テイクオフの練習中に段ボールが壊れる可能性が高くなります。
価格は、カインズホームで128円でした。
4.バスタオル
段ボールの下に敷きます。
私の場合は畳の上で練習するので、傷の予防の意味で敷いています。
フローリングの場合には、いらないかもしれませんね。
段ボールテイクオフ練習法に必要な道具は、以上になります。
注意すべきこと
段ボールテイクオフ練習法では、実際のサーフボードを使ってテイクオフの練習をするので、サーフボードが破損する危険や、自分自身がケガをする恐れもあります。
段ボールテイクオフ練習法を実践するときには、そのリスクを承知の上で、自己責任で行うようにしてください。
ここでは、私が練習する上で注意したほうがよいと思ったポイントを書いていきます。
1.段ボールの強度について
段ボールは、かなり強度があります。
私の場合は、段ボールは常に組み立ててある状態で保管し、練習の時だけひっぱり出してきて使っています。
ただ、ずっとテイクオフの練習で使っているとへこんできたりするので、数か月に1度は買い替えています。
ちなみに段ボールの強度を少しチェックしてみたのですが、新品の段ボールを買ってきてから300回ほどテイクオフ(ポップアップ方式)の練習をしてみましたが、壊れる様子もなく全く大丈夫でした。
しかし、永久的に使えるということではないので、練習前と後には段ボールの状態を確認し、傷んできているようなら新たに買い替えるようにしましょう。
2.転倒のリスクについて
この練習法では、転倒するリスクがあります。
特に、後ろ方向に転倒する危険があります。
図の赤で囲んだ部分に後ろ足を置いた場合で、前足もテール側に置いてしまった場合、転倒の恐れがあります。
充分に注意をしてください。
3.サーフボードについて
サーフボードは、練習前にワックスをとっておくことをオススメします。
でないと、服にワックスが付いてしまいます。
なお、裸で練習する場合には、ワックスをとる必要は無いかもしれません。
また、練習前にサーフボードの水分は充分にとっておきましょう。
サーフボードが濡れていると、段ボールも濡れて強度が下がり、段ボールが壊れやすくなります。
最後に、いくら段ボールの上に置いているとはいえ、激しくテイクオフの練習をすればサーフボードは傷つきます。
例えば、へこみやヒビ割れなどが起こる可能性があります。
特に、ポップアップの練習を激しく行うと、そのリスクは高いです。
もし、サーフボードが破損するのが嫌な人は、この練習はしないでください。
私の場合は、多少ボードが傷んでも、どうしてもテイクオフの練習がしたい!!!
と腹をくくって練習しています。
4.音について
アパートなどの室内で練習する場合、周囲への騒音に注意してください。
特に、アパートの2Fなどは注意が必要です。
また、ポップアップ(一瞬で立つ方法)の練習をする場合は音に注意しましょう。
練習の準備
それでは、練習の準備をしましょう。
1.段ボールを作る
しっかりとした強度の段ボール箱を作る必要があるので、この作業は非常に重要です。
まずは、段ボールを折り曲げてそろえます。
この時、つなぎ目が歪んだり、すき間が無いかチェックしてください。
次に、布テープで閉じます。
段ボールのつなぎ目の中心をしっかりと見た上で、閉じましょう。
もう1つ余分に段ボールを作ったら、バスタオルを敷いてその上に作った段ボールを並べます。
これで、段ボールの準備は完了です。
2.サーフボードをセットする
段ボールの準備ができたら、サーフボードをセッティングします。
まずは、テール側のストリンガー(サーフボードの中心の線)と段ボールのつなぎ目が合うように、サーフボードを乗せます。
さらに、フィンが段ボールに当たるまで、サーフボードを押します。
ノーズ側も、ストリンガーと段ボールのつなぎ目を合わせます。
3.サーフボードの重心を確認する
正しいテイクオフ動作を身に付けるには、ボードの正しい位置に乗ってテイクオフの練習していることが絶対条件になります。
もし、ボードの重心がどこなのかわからない人は、この機会に確認してみるとよいでしょう。
サーフボードの重心の確認方法は、片手でサーフボードを持って、左右がちょうど釣り合う位置を探すことです。
例えば、下の図のケースは、もっとノーズよりに重心があります。
この場合は、もっとテール寄りに重心があります。
下の図の場合は、ちょうどサーフボードが水平になり、左右のバランスが釣り合っている状態です。
この時にサーフボードを持っている手の下側、図の赤丸の部分が重心ということになります。
この重心を覚えておくために、ステッカーなどで目印を付けておくとよいでしょう。
この重心が、テイクオフの練習の時に、前足を出す位置の基準になります。
前足を置く位置を確認する
テイクオフの時に一番重要なことは、「前足をどこに置くか」ということです。
これは本当に重要なことなので、絶対に覚えてください。
テイクオフの時に前足を置く位置は、さきほどステッカーをつけた重心の上、もしくは少しノーズよりの位置がよいと言われています。
練習の時には、この位置に確実に前足を置くことを意識して、繰り返し練習してください。
以上で、練習の準備は完了です。
練習のやり方
1.簡単バージョン
サーフボードの上に腹ばいになり、前に調べたサーフボードの重心とおへそを合わせます。
そして、両手を胸の横に置きます。
腕立ての要領で、上体を持ちあげます。
後ろ足をデッキパッドの上あたりに置きます。
前足を、サーフボードの重心またはそれより少し前あたりに出します。
立ち上がります。
このテイクオフ練習方法の場合、あまり音が出ないので、騒音の心配は少ないと思います。
2.ポップアップ
ポップアップと呼ばれる、一瞬で飛び上がるようにしてテイクオフするやり方の練習です。
まず、いきなり飛び上がる動作をやるのは難しいと思うので、動作を2つに分解して練習しましょう。
飛び上がる練習
まずは、両手を腕立て伏せの要領で伸ばし、その反動を利用して飛び上がる練習です。
前足と後ろ足をどこに置くかは考えずに、とにかく飛び上がることだけを意識しましょう。
実際の練習は、こんな形で行います。
両手を伸ばした反動を利用して、両足をいっきに胸に引きつけ、最終的には正座のような状態にします。
ポイントは、腕を伸ばして状態を起こす時に、全体重を両手だけで支えるような意識にすること。
そうすることで、飛び上がるようにして両足を出すことができるようになります。
こちらは、前から見た映像です。
床にタオルなどを敷かないと、ヒザを擦りむいてしまうので注意してください。
また、サーフボードの上でこの練習をする場合にも、ヒザが擦りむける恐れがあります。
腰をひねって前足と後ろ足を所定の位置に置く練習
実は、飛び上がる練習が出来てしまえば、ポップアップはほとんど出来たも同然です。
あとは、腰をひねって前足と後ろ足を所定の位置に置けばよいだけなので。
何度も言いますが、前足はサーフボードの重心かそれより少し前あたりに置いてください。
その位置に毎回前足が置けるように、意識しましょう。
この練習は、段ボールの上で行いましょう。
まずは、動画で練習するイメージをつかんでみてください。
ポップアップは、素早いテイクオフをする上で必須のテクニックなので、繰り返し練習しましょう。
室内で効果的なパドリングの練習をする方法
パドリングのフォームを見直す
段ボールの上にサーフボードを置いて、その上でパドリングすると、自分のパドルを見直すよいきっかけになります。
特に、自分のパドリングがサーフボードのバランスにどう影響しているのかが、よくわかる気がします。
私の場合は、自分ではしっかりとパドリングできているつもりでしたが、実際に段ボールの上でパドリングしてみると、サーフボードが左右に振れてしまっているのが体感できました。
その原因を探ってみると、どうやらストロークの後半が雑な動きになっているのが悪かったようです。
ストローク後半でしっかりと手で水を押すイメージにして、なるべく丁寧な動作をこころがけたところ、サーフボードの振れは少なくなりました。
実際、海に出てそのパドリングをやってみると、いつもよりもサーフボードに力が伝わっている感覚がして、スピードが速くなったように思います。
パドルアップを使ったトレーニング
さらに、パドルアップというゴムチューブを使うと、パドリングで使う筋肉を効率よく鍛えることができます。
パドルアップというのは、これです。
段ボールの上のサーフボードに横になった状態で、このパドルアップを使ってトレーニングします。
赤丸で囲んだ部分が吸盤になっているので、それを窓などにくっつけて固定させ、ゴムチューブを引っ張ります。
海で実際にサーフボードに乗っている体勢と同じ状態でトレーニングできるので、とても効果的なのではないかと思います。
動画を見てもらうとわかりますが、この体勢でゴムチューブを引くのは、なかなか大変です。
負荷も大きくかかるので、よいトレーニングになるのではないでしょうか。
室内でボードコントロールのきっかけを練習する方法
テイクオフができるようになったら、次はいよいよ、波を横に走る練習です。
そこで最初に覚えなければならないのが、テイクオフした直後に行う動作「最初のひと蹴り」です。
「最初のひと蹴り」というのは、テイクオフした状態からスピードをつけるために行う最初の動作のことで、私が勝手に名付けました。
ここでは、横にボードを滑らせてからテイクオフしていることを前提としてお話します。
その状態から横に走り出すには「最初のひと蹴り」で、アップスの「アップ」の部分の動作をするのが定石です。
やり方としては、後ろ足でデッキパッドのあたりを踏み込みながら、体重をつま先側にかけます。
そして、屈伸した状態から伸び上がりながら、波のトップの方向に上がります。
段ボールの上で、「最初のひと蹴り」の練習をしてみましょう。
ほとんどボードは動かせないと思いますが、何となくキッカケはつかめるのではないでしょうか。
参考になるかわかりませんが、私の練習風景の動画をのせてみます。
何とも気持ち悪い動きですが(笑)、サーフボードを動かすキッカケの練習をしています。
また、パンピングのイメージトレーニングもできます。
実際の海とはかなり違う感覚ですが、きっかけの練習はできると思うので、サーフボードのコントロールの練習をしてみましょう。
サーフボードのコントロールの練習として有名なのが、スケートボードを使った方法です。
確かに、スケートが最適なのだと思うのですが、練習する場所が少ないのが最大のネックです。
室内で、こっそりと練習したい人には、この室内トレーニングのほうが良いかもしれませんね。
最後に
私は、テイクオフが非常に苦手でした。
若い頃、毎日のように海に行って練習していましたが、なかなか上達しませんでした。
例えば、良い波が来てテイクオフしようとがんばっても、前足が思うように出てくれなくて、やっとの思いで前足を出したら、波はもうスープになっていたり。
逆に早い段階でテイクオフできて、サーフボードの上に立てたのに、前足が前に出過ぎていて、横に行きたくて方向転換したくても、板が思ったように動いてくれなかったり。
これらは、テイクオフの動作をスムーズに、かつ前足を正しい位置にセットすることができれば簡単に解決する問題です。
しかし、これが非常に難しい。
サーフィン初心者にとって、テイクオフできるような波を取ること自体が困難です。
周りには上手なサーファーがたくさんいるし、テイクオフも遅いからあまり強気に出ることも難しい。
週末サーファーが、1日に数本の波に乗って、それをテイクオフの練習としているだけでは、上達どころか現状維持すら、ままなりません。
私も同じような状況だったので、まずは基本に立ち返り、サーフボードの重心を探すことから始まり、そこにステッカーを貼りました。
そして、正しい位置に前足を置くポップアップの練習を、なるべく海の上と同じ状況で何度もやりました。
それが、段ボールテイクオフ練習でした。
その結果、何とかテイクオフして横に滑れるようになりました。
私は、今でもたいしたサーファーではないし、初心者に毛が生えたようなレベルです。
でも、良い波でテイクオフして、アップスンでスピードをつけて、ぐんぐん加速してカッ飛んでいく爽快感を知っています。
波を走る楽しさを、知っています。
それは、テイクオフがままならなかった時には、想像も出来ないような世界でした。
私は、あなたにその世界まで到達してほしいと願っています。
せっかくサーフィンと出会い、サーフボードを買って、海に出たのだから。
サーフィンがうまくいかない悔しさやむなしさは、痛いほどよくわかります。
私は昔から、サーフィン偏差値が非常に低かったですから。
若い頃は本当にず~~っと海にいました。
週末は、必ずといっていいほど、海へ行きました。
夏は、
朝は4時30分から海に入ったり、
夕方7時30分まで海にいたり。
たぶん、サーフィン偏差値は日本一低い(海にいた時間のわりにはサーフィンが下手という指標)のではないでしょうか。
私は本当に不器用で、サーフィンオンチです。
あなたが思っている、3倍ぐらいオンチだと思います。
そんな私でも出来たのだから、あなたもきっとできるはずです。
一緒に、サーフィンがんばりましょう!!!