今日は、私のサーフィン日記を書いてみます。
ゴールデンウィークの悲劇
イケイケだった私
今から10年ほど前のことです。
当時まだ初心者サーファーだった私は、テイクオフがやってできるようになって、横にちょっとだけ走れるようになってきた頃でした。
サーフィンが楽しくて楽しくて、週末にサーフィンするたびに、上達している気がしていました。
私が行くサーフポイントは初心者が多く、私よりも下手なサーファーばかりでした。
「みんな、まだテイクオフもできないのかよ」
と、心の中で優越感に浸りながらサーフィンしていました。
セットが入ってくれば、それは私の波だと言わんばかりに、勢いよくパンドリング。
周りを押しのけて波を取る、要するに「いやなやつ」でした。
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ゴールデンウィークという祭り
ゴールデンウィークと言えば、祭りです。
何が祭りかというと、それは「ギャラリーが増える」からです。
ギャラリーというのは、サーフィンする目的ではなく、海を見に来ている人たちのこと。
5月、ゴールデンウィークになると気温が暖かくなってくると、ギャラリーが増えます。
もちろん、女の子も増えます。
もちろん、彼女たちはサーファーを見に来ているわけではないのですが、私にとってはテンションが上がる祭り状態です。
たぶん、そんな気持ちになるサーファーも多いのではないでしょうか。
他県へ旅行に行くことに
そんな時、ゴールデンウィークもサーフィンザンマイする予定だったのですが、家族の都合で茨城県に旅行に行くことになりました。
2泊3日で茨城県へ。
サーフィンしまくる予定だったのに、がっかりです。
家族旅行なので、サーフボードを積んでいくわけにもいきません。
最悪だ・・・。
もう、気分はブルーでした。
突然の予定変更
そんな気持ちで行った茨城旅行の2日目、突然、午後からの予定が空くことになりました。
サーフィンすることしか頭になかった私は、何とかサーフィンする方法はないかと試行錯誤を開始!
車は、家族のを借りれることになりました。
しかし、肝心のサーフボードがありません。
さらに、5月といってもまだウェットスーツほしいです。
レンタルしかない!!!
インターネットで茨城県のサーフショップを検索し、片っ端から電話をかけはじめました。
サーフショップA店に電話
僕 「サーフボードのレンタルってやってますか?」
店員「やってますよ。」
僕 「サイズはどれくらいのがありますか?」
店員「え~と、220センチのが1つと、230センチのが・・・」
僕 「もっと短い板はないですか?6’0とか。」
店員「え~~と、レンタル用の板はすべて、当たっても壊れないようなやわらかい材質のものしか置いてないんですよ~。」
僕 「そうですか。少し考えさせてください。ガチャ。」
板が長すぎるので、これだとサーフィンした気にならない!
というわけで、次のお店に電話です。
サーフショップB店に電話
僕 「サーフボードのレンタルってやってますか?」
店員「やってますよ。」
僕 「サイズはどれくらいのがありますか?」
店員「6’7が1つと、あとは長いのがいくつかあります。」
僕 「もっと短い板はないですか?6’0とか。」
店員「う~~~ん。」(何かを考えている様子)
僕 「(これは、もう少し粘れば何かもっとイイ板が出てくるに違いない!)」
僕 「実は、静岡から茨城に来てまして、一度でいいから茨城の海に入ってみたいなぁ~って思ってたんです。」
店員「そうですか~~。・・・。そういえば、6’4ぐらいのだったら貸せるのがありますよ。」
僕 「本当ですか!是非それを貸してください。すぐにお店のほうに向かいますので!」
店員「わかりました。お待ちしています。道が混んでるので、気をつけてくださいね。」
僕 「大丈夫です。ここからは近いですから。」
やった!!!
すぐに車のキーを持って、家を飛び出しました。
GoogleMapで調べた地図を片手に、持って。
ここから電話したサーフショップまでは15キロぐらい。
普通なら30分もあれば着く距離です。
今は14時30分だから、15時には到着できます。
ということは、日没までは3時間以上あるので、サーフィンは充分に楽しめます。
もう、心はウキウキでした。
ゴールデンウィークの交通事情
みなさんご存じのように、ゴールデンウィークは「混みます」。
湘南の海も混みますが、車の車道も激混みです。
茨城の道も、激混みでした。
ひどい時には、30分で10メートルしか進まないというドSっぷりです。
サーフショップまであと1キロ、という時点で、時刻は17時。
もう、イライラを通り越して、諦めムードでした。
しかし、店員さんに無理をいってボードを貸してもらうことになったので、止めるわけにもいきませんでした。
そして、何とか17時30分にサーフショップに到着。
すぐにサーフボードを受け取り、ウェットスーツもレンタルしました。
茨城の波
店員さんから、この近くでサーフィンできるポイントを聞き、そこに急いで向います。
あと1時間ぐらいしかサーフィンできないので、もう焦りまくりです。
小走りで、海岸沿いを歩きます。
しかし、サーファーが1人もいません。
変わりに、海水浴客がたくさんいて、ジロジロとこちらを見てきます。
そんなことより、俺は早くサーフィンがやりたいんだ!
というわけで、無視しながらサーフポイントに到着。
が、しかし。
波が「キツイ」。
サイズ胸~肩で超タルく、ものすごく岸よりのブレイク。
サーファーが1人もいないのも納得です。
「こりゃあ、ケガするな・・・」
完全に腰が引けてしまった私は、力なく海岸に体育座りをしてたたずみ始めました。
自作自演
そして、日が暮れました。
そうです。
海に入らなかったんです。
レンタルしたのに、海に入ってない!
店員さんのマイボードを無理を言って借りたのに!
大渋滞の中を2時間30分かけてきたのに!
ボートとウェットを6000円でレンタルしたのに、海に入ってない!
1秒たりとも!!!
自分の不甲斐なさに涙しながら、波打ち際まで歩いて行きました。
そして、海の水を手ですくい、頭からかぶります。
なぜでしょうか。
何ででしょうか。
そうです!!!
海に入っていないことを、店員にバレないようにするためです!
自作自演です!!!
茨城まで来て、笑いものになって静岡に帰るわけにはいかないんですよ。
私は笑われても、その他の大勢の静岡県のサーファーが、笑われるわけにはいかないんです。
だから私は、自作自演をするんです!!!
すいません。
私は笑われたくありませんでした。
自分に負けました。
海にも負けました。
店員「ぜんぜんウェットスーツ濡れてないですね~」
僕 「そうなんですよ~。あんまり波がなくて、そんなに(一度も)海に入らなかった(腰が引けて)んです~」
店員「そうなんですか~。それは残念でしたね~。」
僕 「・・・」
もう、サーフィンやめよっかな。
そう思いながら、家に帰りました。
その後
地元の静岡に帰ってから、私はイケイケではなくなりました。
強気に波を取りに行くことも少なくなりました。
自分はまだまだ、うんこサーファーだと再認識しました。
丸くなりました。
海の厳しさを教えてくれた茨城の海よ、本当にありがとう!!!
サーフィンの良いところは、毎日、波のコンディションが大きく変わることです。
波が大きくて波数も多くて、厳しいコンディションの時もあります。
そんな時、初心者がサーフィンをやろうとすると、沖に出ることすらできないかもしれません。
「オレにはサーフィンは向いてないな」
そう思って、サーフィンを諦めてしまう人も、いるかもしれません。
でも、波数が少なくて、サイズは腰~腹ぐらいで、きれいな三角波のコンディションの時もあります。
そんな時は、初心者でも沖に出やすいし、テイクオフもやりやすいし、何より楽しいです。
その「最高のコンディション」を知らずにサーフィンをあきらめてしまう人がいるとしたら、それはすごくさみしいし、もったいないことだと思います。
1度や2度、海に行ってサーフィンしたぐらいでは、ダメかなんてわかりません。
次、海に行ってみたら。
違うサーフポイントをのぞいてみたら。
パドリングを見直してみたら。
変わるかもしれません。
もう一度だけ、海に行ってみませんか。